工場に入ってすぐのところに帯鋸盤があるのですが、先日その帯鋸盤で会長が色鮮やかな木材を切っていました。
どことなく紅紫檀に似ているけれど違う木材。
なんていう木なのか聞いてみると【紅木(こうき)】だと教えて下さいました。
紅木とは、三味線の棹の最高級材として知られるマメ科の広葉樹で、産地はインドとスリランカです。
紅木という名前は和名で、英名はRed sanders(レッドサンダー)、別名では紅木紫檀(こうきしたん)、ミツバシタン、サンタルシタンがあります。
別名の方では紫檀と付いていますが、紫檀と紅木は別属なので気を付けてください。
ちなみに、【紅木】と書いて「べにのき」と読むとブラジル原産のベニノキ科の落葉性低木になり、「こうぼく」と読むとイチイ科の常緑低木の伽羅木(きゃらぼく)の別名になります。
ややこしいですね(笑)
材木としては鮮やかな赤色が特徴ですが、それ以外に硬く重く、ほのかに甘くいい匂いがするのも特徴的です。
加工は概ね素直でろくろ加工はしやすいそうですが、切削はやや難しく逆目が出るそうです。
やや油分があるけれどもペーパーが効かないわけではないそうです。
先ほど三味線の棹の高級材だと書きましたが、17世紀後半から19世紀末まで染料として使うために大量にヨーロッパへ輸出していたため数が激減してしまい、大径木が全くない状態が続いているそうです。
そのため、現在ではワシントン条約によって輸出が制限されています。
木目は切りたての状態だと鮮やかな赤色なので分かりますが、経年変化でどんどん濃くなっていき、黒に近い色になっていくため分かりづらくなります。
加工してオイルを塗って濡れ色になるだけでも写真の状態と大分変わると思うので、上手く削れるかは心配ですが加工するのが楽しみです♪
また新たな材を知ったことで加工してみたい材リストがまた1つ増えました。
実際に触ってみたい材が多く、1つ知ればまた1つと増えていくので自分の気になる材全てを加工しつくせる日は来るのでしょうか?(笑)
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