以前、挽きにくい材として木曽檜を紹介しました。
この記事の中で屋久杉も名前は出ているのですが、詳しく触れていなかったので、今回は屋久杉について紹介していきます。
一口に挽きにくいと言ってもそれぞれ材によって特徴が違うため、挽きにくい(加工しにくい)ところが違います。
通常品で販売している針葉樹だと、いちい、木曽檜、屋久杉があり、どれも柔らかいため、切れる刃でないと逆目が出やすいという共通点があります。
それに加え、いちいはサンドペーパーをかける時に筋が付きやすく、木曽檜と屋久杉はサンドペーパーがかかりにくいという加工しにくさがあります。
木曽檜と屋久杉がサンドペーパーがかかりにくいのは油分が多いからなのですが、この2つの違いは何なのでしょうか?
屋久杉はヒノキ科の針葉樹で、屋久島に生えています。
屋久島に生えている杉の中でも標高500m以上の山地に生えている樹齢1000年以上のものの事を指すそうです。(1000年未満のものは小杉と呼ばれる)
現在は伐採が禁止されているため、倒木などの土埋木が材として出回っているそうです。
栄養が乏しい花崗岩の産地で育つためか成長がとても遅く、木目が細かいです。
このように木目が細かい、笹杢が出るところやヤニが多いところが屋久杉の特徴です。
ヤニが多いため乾燥が遅く割れが激しいというところもあるそうです。
加工の面では最初に書いた通り、柔らかいため挽きやすいけれど逆目が出やすく、サンドペーパーがかかりません。
そのため刃物をキレッキレにして挽かなければ悲しいことになります・・・
屋久杉を挽き始めた頃は逆目だらけになってしまい苦戦しました。
木曽檜と屋久杉。両方共針葉樹で油分が多いのですが、屋久杉の方が刃物が切れないととても厄介です。サンドペーパーのかからなさが全然違う気がします。
木曽檜も個体によってはとても油分が多いものもあるのですが、屋久杉の方が全体的に多いです。
これが杢の出ているものになると更に難しくなります・・・
杢のあるものはとても綺麗なのですが、時折欠けてしまったりすることがあります。
これはどの材でもそうなのですが、針葉樹は特に刃物の切れ味が命なのでこれからも研ぎ方や刃の当て方には特に注意して頑張っていきます!
コメント
屋久杉の油分が多いのは屋久島の降水量が多く、木自身が耐腐食性を高める為と聞いたことがあります。
木曾檜も油分が多い理由は何なのでしょうか??
木曽檜の生息している木曽谷は雨が多く、特に冬は寒さが厳しい上に雪深くなります。
そのため木曽檜も耐腐食性を高めるために油分が多いのだと考えられます。
また、厳しい環境下で育つため木目が緻密で粘りのある良質な材が採れます。